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音楽とグルメが紡ぐまちの未来──恵比寿ガーデンプレイス「EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN」に込めた文化創造への挑戦

恵比寿のまち
いまのはなし

恵比寿ガーデンプレイスの広場に、ジャズの旋律が心地よく響く。手にはビール。足元には緑の芝生。大人たちはグラスを傾けながら音楽に身を委ね、日常を忘れる贅沢な時間が流れる──。

2023年から始まった「EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN」は、単なる音楽イベントではない。サッポロ不動産開発が目指すのは、音楽とビールを楽しむ文化を、恵比寿というまち全体に根付かせることだ。イベント企画を担当する小泉氏、ブルーノート・プレイスの山本氏、そしてディスクガレージの北浦氏に、この取り組みに込めた想いと、まちづくりの未来像を聞いた。

恵比寿ガーデンプレイスに集うメンバー

──まず、皆さんのこと、「EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN」への関わり方について簡単に教えてください。

恵比寿事業本部 賃貸部 小泉

小泉:恵比寿ガーデンプレイスの管理運営を行っている、サッポロ不動産開発の小泉です。所属は賃貸部ですが、恵比寿ガーデンプレイスで開催するイベント関連の仕事も行っています。当社は、特別協賛という形で運営に携わっています。

北浦:ディスクガレージの北浦です。弊社は関東近郊を中心にコンサートの主催・企画・運営をしており、私は公演のプロモーションを担当しています。このフェスでは、イベント主催者として、企画及び推進を担当しています。

ディスクガレージ 北浦氏
ブルーノート・ジャパン 山本氏

山本:ブルーノート・ジャパンの山本です。現在は、ブルーノート・プレイスの企画、制作、ブッキングなどを中心に行っています。イベント主催者として、企画全体を担当しています。

恵比寿ガーデンプレイスに「音楽」という文化を

──このイベントが生まれた背景を教えてください。

小泉:一番大きなきっかけとしてはブルーノートさんの恵比寿ガーデンプレイスへの出店でした。以前よりガーデンホール/ルームでは音楽コンサートが頻繁に開催されてきたので、この施設にはもともと音楽イベントの土壌があったといえます。さらに恵比寿ガーデンプレイスタワーにはディスクガレージさんが本社を構えてくださっていた。ここにブルーノートさんが加わったので、みんなで「何かやりたいよね」と話をしていたのが発端でした。

──元々恵比寿ガーデンプレイスに存在していた”音楽”という文化をより一層磨く、といったイメージでしょうか。

小泉:そうですね。この施設には、映画館、写真美術館、そしてガーデンホールがあり、アートやカルチャーを楽しむ機能は揃っていましたが、日常的に音楽を楽しめる要素がまだなかったように思います。

山本:恵比寿の”ブルーノート・プレイス”は、青山に構えている”ブルーノート東京”とは、雰囲気がかなり違いますね。恵比寿では青山よりもより幅広い層に開かれた雰囲気があります。もっと気軽に音楽を楽しんでほしいと考えていますし、それが出来るというのが恵比寿ならではと感じています。恵比寿のまちに日常的に音楽を楽しむ文化を根付かせたいというサッポロ不動産開発さんからの意思を受け取ったので、それは私たちの使命であると感じています。

北浦:サッポロ不動産開発さん、ブルーノートさん、他にも多くの企業様が、「音楽をまちに開く」という同じ方向を向き、関わり続けています。その積み重ね自体が、ひとつの流れになっているように思います。完成を目指すというより、この関係を続けることに意味があると感じます。

──ブルーノート・プレイスの特徴は?

山本:最大の特徴は、店内の音楽が外にも流れていること。これは、都心の音楽施設としては極めて異例です。普通、外に音を漏らすなんてなかなかないです。でも、ここでは意図的に外に音を流しています。恵比寿ガーデンプレイスという、様々な人が行き交い、音楽が日常に溶け込む余白がある場所だからこそ、できることだと感じています。

音楽とビール、そして「食」が織りなす贅沢な時間

──「EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN」というイベントにおいて、恵比寿ガーデンプレイスならでは、と感じる特徴はありますか?

北浦:フリーエリアが充実していますので気軽に立ち寄れる、何も用意しなくても、ふらっと来て、座って、音楽を楽しめる。散歩でたまたま来た人でも楽しめますよね。

小泉:それこそが狙いではあります。音楽っていう文化に気軽に触れてもらいたい。恵比寿ガーデンプレイスってこんなに気軽に音楽を楽しむことが出来るんだということを実感してもらいたいですから。

──ビールもこのイベントの主役ですね。

小泉:恵比寿ガーデンプレイス内に「YEBISU BREWERY TOKYO」があり、ビール文化が根付いています。音楽とビール──この組み合わせは、最高ですよ。特に5月のゴールデンウィーク。気温も最高で、外でビールを飲みながら音楽を楽しむ。これ以上の贅沢はないですよね。

──今年は食の充実にも力を入れていると。

北浦:グルメやお酒があると、一気に音楽との距離が縮まりますね。その部分にはこだわっていて、なかなか屋外イベントではお目にかかれない出店者がいるのが特徴です。過去2回の開催では、ウェスティンホテルさんやロウリーズさんなどにご出店いただき大好評でした。今年はステーキハウスのパイオニア、恵比寿ガーデンプレイスのお向かいのピータールーガーさんがご出店予定です。今年はキッチンカーも増えていますし、これまでより更に沢山のグルメを楽しめるようになりますよ。

小泉:一昨年のロウリーズさんのローストビーフサンドも即完売でしたね。音楽イベントにあわせて恵比寿のとっておきグルメもぜひ知っていただきたいです。

小泉:大人が求める上質な時間を提供したいんです。本格的な料理、こだわりのビール、一流の音楽。それらが揃って初めて、恵比寿らしい洗練された体験になる。このイベントは、そういう大人のための空間なんです。

──新たな取り組みや、理想の未来像は描いていますか?

北浦:ありがたいことに、年々“音楽が入り込む場所”が増えてきていて。ザ・ガーデンホールでは、やのとあがつま・かつしかトリオにご出演いただきます。無料エリアのセンター広場では、南佳孝さん、押尾コータローさん、奇妙礼太郎×U-zhaan×中込陽大など12組以上が出演いたします。昨年、新しいステージとなりましたYEBISU BREWERY TOKYOと、初年度からご一緒させていただいているCREATORE with PLUSでも特別なステージをお楽しみいただけます。 さらに、今年は、アナログレコードの祭典「TOKYO RECORD CONVENTION」も同時に開催することになりました(EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN 2026 )。恵比寿ガーデンプレイスの中の、いくつもの場所で音楽を楽しめる仕掛けが自然と立ち上がってきている感覚です。だんだんスペースが足りなくなってきましたね(笑)。

山本:恵比寿の住民や働く人々が、毎年この時期を心待ちにする文化として根付くこと。何年後かわからないけど、まちの人たちが「いよいよだね」「ジャズだね」「飲むぞ」って、自然に盛り上がる。まちの飲食店も、それぞれのスタイルで音楽イベントを開催する。そんな風景が見られたら、このイベントは完成だと思います。

小泉:恵比寿駅前盆踊り大会みたいな存在になりたいですね!

北浦:恵比寿には、ミュージックバーや音楽好きが集うお店が結構あります。それらのお店とも一緒に盛り上がりたい。イベントの告知含めて、一緒にやりませんかと提案しています。

小泉:恵比寿ガーデンプレイスの内での仕掛けに加え、今後はまちに少しずつ染み出していく。やっぱり恵比寿のまち全体で盛り上がりたいですよね。恵比寿ガーデンプレイスがきっかけになったらいいなと思っています。来年、再来年、そして5年後、10年後に向けて、少しずつ育てていく。大人が心から楽しめる、洗練された音楽文化を恵比寿に根付かせたいんです。

奇跡の座組が生んだ、恵比寿ならではの文化創造

小泉:ディスクガレージ、ブルーノート・ジャパン、そしてサッポロ不動産開発という、それぞれの分野のプロフェッショナルたちが支えています。ディスクガレージさんは恵比寿ガーデンプレイスに本社を構えて事業を展開されてきた。ブルーノートさんもここにご出店いただいた。だからこそできる、奇跡の座組なんです。他のまちから見たら、羨ましすぎる組み合わせだと思っています!

北浦:恵比寿ガーデンプレイス30周年のタイミングでサッポロ不動産開発さんからお声がけいただきました。コンサートやイベント制作を行っているプロマックスさん、ガーデンホール等を管理運営しているスタンダードワークスさん、今年からはEXエンタテインメントさんも加わりました。さらに恵比寿ガーデンプレイスに入居しているチケット販売を行っているイープラスさん、音楽ビジネスをサポートされているネクストーンさんにもご協力いただいています。多くの企業が支え合うことにより成立しているイベントですね。

万千に文化を根付かせる──長期的視点の挑戦

──最後に、このイベントの目的を改めて。

山本:「音楽のまち、恵比寿」まで成長していけたらいいなという野望を持っています。

北浦:恵比寿ガーデンプレイスは、大人たちが色々なことから解放されて楽しめるイベントが似合う場所だと思います。音楽がきっかけになり、気持ちや思考のスイッチが静かに切り替わる瞬間が生まれるといいですね。

小泉:イベントを通じて、「音楽という文化」に触れられるまちづくりをする、まちを活性化する。それが、このイベントの大きな目的です。音楽が流れ、ビールがあり、緑がある。そして、それを楽しむ大人たちの洗練された時間がある。山本さんの言うとおり、「音楽のまち、恵比寿」──そう言われたいですね。2回の開催を経て、手応えを感じています。まちへの広がりを作り、来年、再来年と、少しずつ文化として根付かせていく。まだまだ私たちの挑戦は続いていきます。

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